外交問題

『一般人』と『オタク』は、興味の対象に色々と差があります。
社会生活をしていると自然に得られる趣味と、ある程度自分で働きかけないと手に入らない趣味。
後者に興味を持つと、前者への比重は減っていきます。


ここで重要なことは、オタクだからといって、前者を完全に捨てきっているわけではないということです。
「理解はしているけども、周りの(同種の)人間が気にしていないから、私も気にしない」
というスタンスであり、これが閉塞的な環境を作り出し、「一般人」と壁ができてしまうわけです。


はてさて、つまらない前置きはこのぐらいにして、本題に入りましょう。


私は、前者のうち、「音楽」には全く興味がなく、「お洒落」の優先度は低いです。
当然、変な人と見られるわけで、色々と興味本位のやっかみや蔑みが飛んできます。
このような状況に陥った場合は、どうにかして一般人に合わせようと努力するわけです。
そうやって努力する姿がまた滑稽で、笑いの対象になるわけですが、
まぁ、笑ってもらえるのなら御の字かな、と考えています。


今回のお題は、「○○さん、スーツが似合ってないのでまともなのを買いなさい〜」
という内容でした。
服というものは、「他人」が価値を判断する物であり、自分で判断する意味などないと考えています。
その他人がダメだしをしてきたわけですから、放置しておくと良いことはありません。
早速、TACLで一番詳しそうなばけつ君に頼んで、梅田までスーツを買いに行ってきました。


まず、ヨドバシ梅田13階のスーツカンパニーへ。殺風景な陳列棚が並んでいる白い空間です。
とりあえず適当に着てみる物の、あいそうなスーツがなかったので、大丸に移動することに。


ばけつ「昨日新聞でセールの広告みてなー。ぴったりやと思ったんや!」
というわけで催事場へ。色々着てみる物の、やっぱりあいません。
ばけつ「んー これならイージーオーダーやってみよかー」
イージーオーダーの棚を回ってみるものの、予算的にはかなり厳しいお値段。
納期も三週間ほどかかるらしく、「クールビズ始まっちゃうよ!」という事で却下。


次は下の階のメンズショップへ。ひげ面のお兄さんが出てきました。
体型と大きさを伝えると、お兄さんは色つきのストライプを売りたいらしく、果敢にセールスをかけてきます。
とりあえず試着した後、ばけつと相談。
ばけつ「政治的要因を考えると、色つきはちょっとやりすぎちゃうかなー」
     「黒のストライプにした方が、最大公約数を達成できると思うで」

というわけでお兄さんと再び交渉。どうも黒のストライプのS(私の体型用)は在庫切れのようです。
色つきのストライプをセールスしていたのは、経営事情だったのねという事で決着。
黒のストライプを探して、全国一在庫が多いといわれる阪急百貨店に行くことになりました。


阪急百貨店にて探してみる物の、Mはあるのですが、Sは見あたりません。
対応にきた店員さんに聞いてみると、Sは在庫切れのこと。
店員さん「3〜4月にはもう売り切れてしまいまして。申し訳ありません」
ここから店員さん(*男)のセールス開始。百貨店ブランドのスーツを薦めてきました。
予算的には補正予算を計上しなければいけない額なので、
ばけつと「最大公約数」やら、「補正予算」やらの用語を使って相談。
店員さん「難しい会話をされていますね。理系の方ですか?」
TACL「いえいえ、めっちゃ文系です」
店員さん「お二人を見ていると、『絆」みたいなものを感じますねー」
男二人で買い物に来ているのを見て『絆』という単語を使用する店員さん恐るべし。
TACLは端から見るとそんな雰囲気なのでしょうか。


こそこそ着替えて登場・・・ん。なんか微妙に空気が固まってます。
心なしかばけつの視線も変。「絶句」という表現に近い感じです。

ばけつ「会長に似合うスーツなんかないと思ってたんやけどなー。これなら可は間違いないわ。
    俺は優つけてもええと思うでー」

店員さん「私も十分、優だと思いますね」
お世辞分を差し引いても、似合っていないという事はないようです。
補正予算が少し痛かったですが、購入決定。まぁまぁいい買い物でした。


帰りのエスカレーターでの会話。

ばけつ「ほんまはイージーオーダーの実験台にしようと思ってたんやけどなー
    似合うのが見つかってしもうたから、まぁええわ」

私「さすがはばけっちゃんやな」
ばけつ「にしても、他人のお金でショッピング。これは最高やなっ!」
私「俺も同意だ。なのでばけつ先生、PCの買い換えのさいは是非ご利用下さい」


この後暁と合流して、三人でラーメンを食べました。
暁の頼んだスープが一番美味しく、私とばけつが負け組というオチでした。